デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)/吉越 浩一郎
「デッドライン仕事術」とは、トリンプ前社長の吉越浩一郎氏が編み出した、「超効率化!」を実現する仕事手法のこと。そして、おそらくもっともシンプルな仕事手法でもある。なぜなら、実行することはたったの2つだけ。
1毎日「お尻の時間」を決めて働く
2仕事には「日付」で締切を入れる
1ダラダラと残業せずに、毎日、「今日は○時に帰る」と決めて仕事をする。「時間をかけないと仕事の質が落ちる」と心配する人もいるだろうが、これは思い込みにすぎない。「お尻の時間」を決めて働くことで、仕事の「効率」はもちろん、かえって「質」も高まるのだ。
2「来月中ごろ」という曖昧な言い方はやめて、「×月×日まで」とすべての仕事に締切日を入れ、その締切日を徹底して守る。自分がやる作業の締切日を守るのはもちろんのこと、仕事相手にもしっかりと締切日を守ってもらう。
この二つを実行するだけで、仕事が「超効率化」されることは、残業ゼロを実現しながら19年連続、増収・増益を達成したトリンプが実証している。
さらに、本書では「デッドライン」を「会議」で管理することで部下を動かす方法についても詳説してある。部下を持つ人が今日からでも実行できるように、「本当に有効な会議のやり方」が説明してあるのだ。
まず最初に申し上げるとすれば、本書の書評は少し偏っている。
僕が個人的に吉越氏のスタイルや信念に共感しているという点でである。
学生時代からトリンプに注目しており、この会社で働きたいと強く願った。
吉越氏が打ち出す数々の施策を目にするたびに憧憬の念が強まったことは否定できない。
さて、本書はその吉越氏の仕事に対する考え方をまとめたものである。
日本型企業の特色をことごとく否定し、効率化に重点を置いた方法論は
読者によっては違和感を覚え、納得のいかない点も多いだろう。
しかし、実際の現場において即決即断はビジネスの基本であり
熟慮した結果が最大の効果を生むことが稀であることは
経験則として多くのビジネスマンが理解はしている。
不思議なことにその要因が慣行や馴れ合い、形式的な会議による
業務効率の低下であることは認めないのだ。
熱い思いと刺激的な言葉が並ぶ本書を僕は手元において繰り返し参考にしたい。
以下に僕が線を引いた言葉を引用する。
そこに共感を感じる方は是非手にとって読んでいただきたい。
組織の中で生き、勝ち残っていくことが何であるかを知れるのだから。
各自の仕事の進捗状況を「可視化」することで、問題を顕在化させる
川に飛び込んでから、渡り方を考える
デッドラインの基本は「明日」
仕事は発生した瞬間に取り組むことで、一番、効率が上がる
仕事を盗めない人間は、伸びない
ブレインストーミングは時間の無駄
朝型への体質改善とデッドライン仕事術を持って
より高い仕事のステージを目指していきたい。
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