新s あらたにす(日経・朝日・読売)が公開されました。
まるで関係者のようにドキドキしながらサイトを見て回りました。
以下、簡単にではありますがレビューさせていただきます。
【くらべる一面】
グランドTOPは「くらべる一面」。
左から朝日、日経、読売の本日の一面から三大記事が並んでいます。
よくある検索結果と同じように、本文の一部が表示されており
そこから各社のサイトへリンクしています。
リンクはPOPUP設定されているので該当記事は別ウィンドウで展開します。
細かいことかもしれませんが、これは気遣いだと感じました。
せっかく記事比較できる画面があるのに画面が遷移してしまうのでは台無しですもの。
【くらべる社会面】
レイアウトは共通です。
各社が捉えてるニュースの重度が違うところが比較の面白さ。
同じ事実についても情報量が異なることがあり、
読み比べることで、より理解は深まると思います。
【くらべる社説】
新sの大きな成果としては、この社説比較であるといっていいでしょう。
自社メディアだからこそ展開できた論説を同じ土俵に載せたのですから。
奇しくも昨日は与党が「つなぎ法案」を取り下げるというニュースがあり
政治的な意見を述べやすいスタートでした。
毎朝、ネット上で3紙の社説を読み比べることには
私たち読者にとって、世の中を考えるための大きなきっかけであると感じています。
朝日は新sのスタートについて、社説でこう語っています。
民主主義は、言論の多様さと主張の競い合いがあってこそ成り立つ。
(略)
現代の新聞の主張にも、驚くほど違っていることが少なくない。例えば、読売は自ら改憲案をつくって憲法改正の旗を振るが、朝日は現行憲法、特に9条を活用することを基本と考えている。イラク戦争、靖国問題などでも、多くの新聞がさまざまな論を張ってきた。比べて読めば、それぞれの主張が立体的に浮かび上がる。どちらに説得力があるかは読者が判断する。
これは新聞の側にも大きな緊張感をもたらす。3紙による共同の試みを、日本の新聞がいっそう個性を磨き上げ、競い合う出発点にしたい。
「ネットの時代」といわれるが、問題はどんな情報を流すかだ。無責任で不正確な情報があふれる中では、きちんと裏付けを取った正確な情報を発信する新聞の役割がますます重要になる。そもそもネットに載るニュースも、多くは新聞社が取材したものだ。
ニュースを発掘し、取材し、それをもとに主張を展開する。そうした新聞の強みを生かす新たな場が、今回の共同ネットである。読者の期待に反しないよう、言論の活発な戦いをお見せしたい。
出典:asahi.com
【まとめ】
新sはコンテンツが豊富です。
上記に紹介した記事比較のみならず、「注目テーマ」や「書評」、「イベント」など
新聞の良い部分を惜しみなく提供しています。
今、新聞を購読しない家庭は多くあります。
ネットでニュースもテレビ番組も確認できるし、
若い人を中心にじっくり新聞を読むという習慣が薄れているのでしょう。
僕はもともと新聞が好きだということもありますが、
最新の豊富な情報を取り揃えた媒体が、
毎朝自宅のポストに届くのです。
しかもそのコストは一日あたり缶コーヒー程度でしかありません。
インターネットの功罪として既存メディアの軽視化が挙げられます。
確かにネットの可能性は無限大かもしれませんが、
既存メディアの強みが弱くなったかといえば全くそんなことはありません。
僕がWebディレクターと呼ばれることを嫌う背景には
そんなネット礼賛主義の人たちが多すぎるいうこともあります。
手触りのある情報、そのときでしか触れらない情報、
その価値を理解している者だからこそ
Webの役割、情報の扱い、コミュニケーションの方法には
もっともっと深く考えなければいけないと感じるのです。
旧態依然といえば言い過ぎかもしれませんが、
互いを牽制しあう印象が強い新聞業界において、
新sが持つ可能性はものすごく大きいのです。
これを機に新聞を読もうと思う人が増えることを
願ってやみません。
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