日経新聞の連載だった「私の履歴書」に加筆された電通グループ会長である成田氏の自伝的回顧録。新聞広告の地方部であった現役時代と役員になってからの時代を動かす大きな仕事を紹介しながら広告の在り方を伝えている。
トップを走り続けるものだからこその自負というものがある。広告界のガリバーである電通で社長になった男の言葉である。さすがに含蓄がある。
それとは裏腹にどうしても納得できない場面も多い。読み終わってから感じたのはそんな劣等感だった。僕はまだ31歳。これからまだまだ仕事の中に可能性を秘めている。広告という仕事に携わっている以上、世の中に誇れる仕事をしたいとは常々思っている。プランニングとクリエイティブとWebの間を行ったりきたりしながら、自分の色をどうやってクライアントのニーズに結びつけるかを苦心している。
やるからには頂上を目指すべきだとは思う。問題は頂上のあり方なのだ。僕が広告人としての頂をどこに見据えるかはこれからの10年の課題なのかもしれない。
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