月刊誌「広告批評」(河尻亨一編集長、マドラ出版)が、創刊30周年となる来年4月号を最後に休刊することが分かった。発売中の4月号誌上で、社主の評論家、天野祐吉さんと同誌編集兼発行人の島森路子さんが連名で明らかにした。
驚き、そしてショック。
「広告批評」を読み出したのはこの世界になってから。
大学生の頃、制作物に熱心な同級生が愛読していたのを覚えている。
当時は自分が広告業界に身を置くとは思ってもいなかったし、
ましてや制作業務に従事するとは夢にも見ていなかった。
企画制作部門に配属されたのは社会人3年目。
(もともとは業務部門だった)
そこで自分の能力の低さと経験の浅さを思い知り
恥ずかしい気持ちと、お金を頂く以上最低限の仕事をしなければという
義務感に突き動かされ、本当にたくさん勉強した。
実務を通して先輩方から教えを請うことはもちろん
最低限の知識や過去の成功例、話題になった手法は
片っ端から頭に叩き込んだ。
業界誌としては「宣伝会議」が最も有名であり、
その系列で「販促会議」や「ブレーン」を定期的に皆が読んでいる。
「アドバタイジング」や「広告」といったメガエージェンシーが発刊する雑誌も
参考にしつつ、知識を肥やしていった。
「広告批評」はそれらの雑誌の中でも自分にフィットしている。
単純な好き嫌いの話をするわけではないのだが
肌に馴染む雑誌だった。
年に2回付録でつく世界のCMも楽しみであるし、
時に社会論調に則った特集も自分の視野を広げるきっかけになった。
今から思い出話をしても仕方ないのだが、
赤字が原因ではないらしいので、早期の復刊を待ちたい。
Webが世の中に浸透すればするほど
既存メディアは多くの判断を迫られる。
世知辛い。
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