隔月刊誌の『WEB FLASH』が2008年2月のVol.31にて休刊となります。
昨年末に媒体社から休刊のお知らせは届いていたのですが
いよいよ最終号が目の前に届くと、残念な気持ちになります。
秀逸なWebサイトを紙媒体を通じて記録しつつ、Webサイトに携わる人達の仕事を称えることを弊誌の使命と信じ、「Web業界誌」を標榜して歩んでまいりましたが、一旦その歩みを止め、Web業界を陰ながら見守ることにいたします。 出典:『WEB FLASH』Vol.31
広告が少ないので値段の高い雑誌でした(税抜き:\4,800)。
紹介されているサイトはそれこそ大規模サイトから商店まであり、
制作費用もランク別に記載されているので
本当の意味での広告代理店や制作会社の実力が垣間見れました。
値段は高いのにコンテンツもデザインもつまらないサイトを見ては憤り、
値段も納期も格安で手の込んだサイトを見つけては頭が下がったものです。
Web制作の料金はまだまだ基準のようなものがなく、
値ごろ感も本当に様々です。
僕は自分が担当したものについてはクライアントの財布と相談しながら
最大限のコストパフォーマンスを発揮することを命題としています。
予算がないからできない、というのはプロして失格です。
だからといって、全ての要望を鵜呑みしてしまうのもいけません。
僕は受ける立場としても出す立場としても
相見積もりはあって然るべきだと考えています。
印刷のようにある程度予測がつくものでもないので
各社の実績や進行方法を鑑みた中で
それが適切な価格かどうかを判断する必要があるからです。
Web業界はそのバランスがまだまだ悪いのを実感します。
現場でも感じますし、資料として理解を深めさせてくれたのが
『WEB FLASH』の存在でもありました。休刊は本当に残念です。
感覚的にカッコいいものやキレイなものは、
すでに誰であっても簡単に手掛けることができます。
Webは感じるだけではなく、体験できるものです。
コミュニケーションツールとして、これほど適したものはありません。
だからこそ、きちんとWebの力を理解し
巷に溢れるリアルなものとの共存が可能なのです。
いつもいろんな人に伝えているのですが、Webは万能ではありません。
インターネットを使わない人はいくらでもいるのです。
ネットのクチコミがリアルに波及するバズやバイラルが注目されていますが
それが成功するのは、Web以外の要因が強いのも確かなのです。
(確かにきっかけはWebかもしれないが、それをマス媒体が紹介することで爆発する)
技術の進歩は恐るべきスピードで加速し続けています。
ダイアルアップからADSL、そしてFTTHの普及まで
本当にあっと言う間の出来事でした。
インフラでさえそうなのですから、Web自体の技術なんて
例を挙げるまでもありません。
『WEB FLASH』は、加速していく進化のスピードに遅れをとることを良しとせず、
しかし、印刷物の実情を踏まえると自分たちは加速することができない実情に
ジレンマを抱えていたのかもしれません。
休刊を発表するもっともっと前から。
5年間、この雑誌が生んだ功績は大きいはずです。
少なくとも、僕は感謝しています。ありがとうございました。
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