11/22(金)にモーリス・ベジャール氏が亡くなりました。
もっと早く追悼抄を書きたかったのですが、思ったよりショックがあり
上手く言葉にする自信がありませんでした。
そんな中、スイスでお別れ会が開かれるとのニュースが飛び込んできました。
22日に80歳でスイス・ローザンヌで亡くなったフランス出身の世界的な振付家、モーリス・ベジャールさんのお別れの会が26日、同市庁舎のホールで行われた。友人のロゲ国際オリンピック委員会(IOC)委員長ら約500人のファンや関係者が別れを惜しんだ。27日には荼毘に付され、遺灰はベジャールさんの遺言に従って、家族によって、ベルギーのオランドの海岸から北海に撒かれる。
ローザンヌ市当局が26日、明らかにしたところによると、ベジャールさんは昨年からローザンヌ市民となっており、来年1月には正式にスイス国籍を取得することになっていたという。しかし、これによりフランス国籍を失うことはないという。
MSN産経ニュースより引用
ベジャールを初めて知ったのは10年ほど前、恩師・小林昌廣先生の授業でした。
バレエなんぞ見たこともなければ関心もなかったのですが、
ジョルジュ・ドンの『ボレロ』には衝撃を受けました。
身体のダイナミズムを初めて知った瞬間でもあったのです。
ドン亡き後、その身体はシルヴィ・ギエムへと受け継がれ
観ている者の心を鷲掴みする表現力にただただ魅了されていきました。
この身体の中心にはいつもモーリス・ベジャールがいたのです。
ベジャールはバレエだけでなく多くのアートとの
コラボレーションを行ないました。
ヴェルサーチとの進行はとても有名であり、
つい先日、ヴェルサーチ没後10周年記念バレエ公演開催のニュースがありました。
http://www.afpbb.com/article/entertainment/fashion/2242252/1709495
フレディ・マーキュリー没後、その偉大なる才能を尊び、発表された『バレエ・フォー・ライフ』
僕が唯一、生で体験したベジャールの世界でした。
バレエを見て感涙し、スタンディングオベーションを心から贈った作品です。
芸術とアートが似て非なるものであるなら、その融合地点に立ったのが
モーリス・ベジャールという存在であったと思っています。
彼自身が哲学なのです。
その信念を受け継ぐ世代が新たなる世界を描くことで
存在はより揺るぎなきものになるのです。
氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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