「Yonda?」の仕事で知られる谷山雅計氏の著作です。
コピーのハウツー本でもマニュアル本でもありません。
そもそも、コピーに限ったこととではありませんが、
発想やアイディアを仕事にしている者にとって、
機械の操作のようにマニュアルもなければ
効率化が図れるものでもありません。
本書の中でもそれは100m走に例えられています。
いきなり早く走れるはずはなく、スタートに立つ前に
どれだけトレーニングできているかということ。
私たちの仕事もまさに日々の鍛錬がものをいうのです。
いわゆる「天才型」は別として、
世の中で活躍する多くの有能なクリエイターの多くは
製品なりサービスについて知り抜き、考え抜き、
その特長をいかに引き出すことができるかという
理論的な計算の部分が大きいのです。
実際、優れたクリエイターが生み出した作品の多くは
綿密に練られた上で理論的に制作されています。
有名なキャラクターや、コピーであっても
制作者のセンスだけによって生まれたわけではなく
深い洞察とそのコピーによって得られる効果
(認知や販促以外だけではない)
つまりは、広告の力による問題解決に貢献しているのです。
自分もまたクリエイターの端くれとして、
日々の中で努めていることは間違いではない、と
安心することができました。
コピーライターになりたい人はもちろん、
ある程度仕事に慣れてしまった人が「ハッとするために」
ためになる一冊ではないでしょうか。
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