制作発表時、原作者である東野圭吾が「原作と映像は別物だと思っている。視聴者が楽しめる作品になればいいなと願うだけだ」とコメントし、脚本の宮藤官九郎「こんなこと言ったら失礼ですが、いじり甲斐のあるお話でワクワクしています」とコメントしたとおり、原作とは雰囲気も結果も異なるドラマに仕上がった。それについてはネット上でも賛否両論であり、原作のファンはがっかりし、クドカンのファンはこの世界観に魅了されたに違いない。僕も原作を知る者だが、ドラマとしての完成度は高かったと感じた。
まずはキャスティングの妙。クリント・イーストウッドが褒め称えた二宮和也は本物だ。錦戸亮も戸田恵梨香も若手の中では上手い俳優だが二宮は格が違う。ドラマを見ながら何度も涙を誘われたが、そのほとんどが二宮の演技によってである。
ドラマを見てる方はお分かりでしょうが、静奈が戸神行成に恋心を抱いたことを心配した泰輔が、二宮演じる功一に「兄貴、ホントに良いのかい?」と問いかけ、二宮が「いいわけないだろ!」と応じるシーン。功一が三浦友和演じる柏原刑事に「柏原さんならどうします」と問いかけ、三浦友和が「殺すね」と答え、それを聞いた二宮が三浦に背中を向け、涙を流すシーン。
二宮和也が演技の考え方をインタビューされ「演じようとしない。自然体でいようと思っています」と答えたと聞いたことがありますが、この二つのシーンは本当に素晴らしい。二宮和也の非凡さ、才能を感じます。
(日向、延岡食べ歩き日記より)
↑この方の意見に同意。特に「いいわけないだろ!」は本当に胸を揺さぶられた。
クドカン特有のコメディタッチな展開に東野ファンは嫌悪感を示したと思うが、本筋のシリアスな路線は俳優の実力で十二分にカバーできている。要潤もかなり良かった。いや、本当に中心キャストは文句のつけようがない。今年のドラマの中では最も評価できる内容だ。
トラックバックしていただきありがとうございます。ラストもちょぴり原作とは異なりましたが、このドラマ、久々にDVDが欲しくなりました。(私にとっては「やまとなでしこ」以来です)
二宮和也、これから本当に楽しみな俳優さんです。
投稿情報: コバ | 2008年12 月23日 (火) 02:13